ケータイ小説 野いちご

前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―

■Prologue 受け男
XX. 後輩とあたし



【受け男】

読み方:うけおとこ

 
本来、攻める立場にいるであろう男のポジションをぶんどられ、

あれやそれやどれやこれや、至らん手で攻められる男のことを指す。
 
 
 
※此処に記載している“受け男”は決して乙女チックでもMでもなく、普通の男を指す。
 
 

 
□ ■ □
  
  

「なっ、なななな、なんで此処まで追って来るんっすかっ。常識的に此処は入れない場所っすよっ! モラル的にアウチっす! イヤーンですよ! キャー変態って叫びますよ!」
 
  

前略、今日(こんにち)も日本国という不況大国で働いている父さま、母さま。
 

あなた方の三番娘、竹之内鈴理は今、とても美味しいシチェーションに舌なめずりをしているところであります。


やや場所が場所なだけに美味しいと呼ぶには似つかわしくない場所でありましょうが、あたしにとってそんなこと二の次三の次。


大事なことは目前の獲物は食らうことにあります。



獲物のこと所有物、改めあたしの彼氏の名前は豊福 空。


極々普通の庶民派貧乏人学生で、わりと苦労を背負っている私立エレガンス学院の特別補助制度特待生です。


一目惚れから時間が経ち、正式に恋人になって今まさに彼を追い詰めたところです。



大体このようなところに逃げ込んで、あたしが来れないとでも思ったのでしょうか?


つくづく我が彼氏は抜けていて愛い奴です。



「小学生じゃあるまいし、そのような脅しであたしがさっさと此処から退散するとでも思ったか? あたしに常識など通用しない!」


「通用して下さいっ、いえ常識を採用して下さい! 此処はっ、男子便所っす―――ッ!」
 
 

男子便所の最奥で絶叫する空に、「人がいないからいいではないか」あたしは腕を組んで肩を竦める。


「そういう問題でもないっす!」


男女で分かれている空間なんだから入ってきちゃ駄目なんっすよ、おカタイことをほざく空にあたしはヤレヤレと溜息。


だからあたしの前でそれが通用するかっつーの。



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