その日の放課後はあっという間に来た。

帰りのHRのあと、私は教室を出ていった滝田先生を追いかけて廊下に出た。

「先生!」

先生は振り返りもせずになんだ?と面倒くさそうにつぶやいたけど、それが私だと分かるとようやく「あぁ……」と足を止めてくれた。

「先生、今日、部活休ませてね」

「はいはい」

分かってるよ、と言わんばかりに滝田先生は素っ気ない返事をする。

「それと昨日のことなんだけど。陽人は本当に処分されたりしないのかな?」

「そうだなぁ。殴られた慎がただの喧嘩だっていうんだから、それでいいんじゃないか? 俺もあんまり事を大きくしたくなかったから何も報告してないし」

「そうか……よかった」

私はホッとした。