その日の2限は体育だった。

グラウンドを半分に区切って、男子は野球、女子はサッカー。

なにもこんな寒い中、外で授業することないのに……。

テンションの低い生徒の中で、熱血漢の山室先生だけが張り切っていた。

私とチョコは
「お腹が痛いので見学しまーす」
と言ってグラウンドの隅に行き、体育館の壁にもたれるように腰かけた。

地面のコンクリートは固くて冷たくて、一気に体が冷える。


「さて……」

チョコが私の顔をじっと見る。

「どう?“オレ”の正体が分かった気分は」

体育座りをしていた私は、自分の膝に顔を埋めた。

「……わけわかんない」

「ヤマタロじゃ、イヤ?」

「イヤとか、イイとか、そんなんじゃなくて……」

言葉が続かない。

チョコに、自分の気持ちをどう説明していいか分からなかった。

「それより、チョコはどうして分かったの?」

話をそらす訳じゃないけど。

私は下を向いたままチョコに聞いた。