あれから。


優さんが温かいココアを入れてくれて、体温を奪われた身体に再び温かさが戻ってくるような気がした。


優さんは何も聞かなかった。


学さんは、黙ってあたしの背中をさすってくれた。


「葉奈ちゃん?」


今まで口を閉ざしていた優さんが、突然話しかけていた。


「葉奈ちゃんと話したいって言ってるやつがいるんだけど…、いいかなぁ?」


眉を下げて困ったような顔で聞く。


なんか、優さんっていろんな表情するんだなァ。


こういうのって、いいなァ。


あたしは、どんな顔をしてるんだろう。


「はい」


あたしと話したい人?


「おい、美羽」


カウンターの奥から…さっきの美人さんが出てきた!!


え?


この超美人さんがあたしと話したいって言ったの!?


「葉奈ちゃんっていうの?やぁ~ん、超可愛いィ~!!」


ぎゅっと抱きしめられた。


…ヤバい。


この人、超いいにおいするんですけど。


美人な人って完璧だなァ。