「…ん…」


気が付いたら窓の外はもう、日が傾いていた。


寒い。


外は暑そうなのに、なんだか寒い。


物音ひとつしない、家。


…学さんはまだ、帰ってきていなのかな。


何か、温かいもの、ほしい。


…学さんの温もりが、ほしいよ…。


学さん、どこにいるの?


あたしを置いて、どこに行ったの…?


そんなことを思いながら、部屋を徘徊。


うん、やっぱり…まだ帰ってきてないんだね…。


冷蔵庫を開けて、ポカリを出す。


学さんが病院帰り買ってくれたみたい。


ふたを開けて、リビングのソファに座る。


こんなに寂しかったっけ?


一人で座るソファってこんなに大きかったっけ?


…もう、ヤだよ…。


学さん、早く…帰ってきて………






手からペットボトルが、すり落ちる。







「葉奈…」


学さんの声が耳から入ってきた。


…学さん、帰ってきたんだ……。


よかったぁ…。


安心して、再び眠りについた。