わたしの名前は早坂あさみ。

いや、名取あさみ。

幼なじみの名取慎吾と、春に入籍したばかりだ。


慎吾とは子供の頃から一緒に居て、ふたりでいるのは楽だった。

わたしは大学を出てから上京し、多忙な生活を送っていたのだが、ある日慎吾が会いに来て、わたしと付き合いたいと言ってくれた。

わたしは自然に受け入れていた。

慎吾の顔を見て、何だか肩が軽くなるくらい、ほっとしたからだ。