「おい、千田!頼んだのはどうなってるんだ!!」





今日もまた。


飯田コーポレーション営業部に通称Sこと佐渡課長の怒鳴り声が響く。





「出来てないとはどういう事だ」

「す、すみません…」

「謝る前に早くしろ!先方はもうすでに待っているんだ」





チッと半径10メートル以内は聞こえるくらいの盛大な舌打ちをし…





「戸村!」





次は私の名前を呼んだ。


え、私…?


何もやらかしてないよ、多分。





「頑張って」





同期で隣りの席の香織が口パクで私にそう言う。





「ありがとう」





私は香織にそう言うと佐渡課長の席の前まで歩いて行った。