――真裕サイド――


「んー……」


「真裕?」


「ん…かっくん…?」


れ…。

あたし…?


きょとんとしてきょろきょろ見渡すと、だいぶと見慣れた光景。

かっくんの病室…?

…に、なんであたしが寝てるわけ?


「そりゃ俺も聞きたい。…顔色がだいぶ良くなったな?」


「え?」


あ…そういえばあたし…。


「脱水と悪阻の挟み撃ちだと」


「……なにその最悪の攻撃」


戦闘だったら即KOじゃない?

二秒で終わりだよ。


「気分は?」


「うん…だいぶ。…さっきは死ぬかと思ったんだよー…。てかもう絶対死んだと思ったね」


あたしの人生みじかっ! …みたいな。

てかまだこの子産んでないんだけど! …みたいな。

あ、でもかっくんより先に死ぬのはあたしの願い! …みたいな。

いやでも、にしても早くない!? …みたいな。


まあ生きてたけどね。あはは。


「今までもあったのか?」


「ううんー。食べ物が近くにあったりとかするとひどかったけど、普段はそこまででは…」