『重度な昏睡状態にあります―…』




…ついさっき言われた一言。

それだけがずっと、あたしの頭の中をこだましている。


今病室にはあたしだけ。

ベッドに眠る彼のそばに立ちつくしていた。


「……ね…かっくん…?」


…確かにあたしのかっくん。

とても青白い顔をしてて…ぴくりとも動かないけど。

触ると、温かい…。


「ね…まお来たよ…? 待っててくれたんでしょ? 早く起きて…話、あるんだよ」


……思いだす。

この顔色を見ていると、思い出すの。


あのときのこと…。



『母様――…っ!!』



…母様はとても青白い顔をしていて、温かかった温もりはどんどん引いていった。


かっくんもそうなっちゃうんじゃないかって。

怖くなった。


「かっくん!」


堪え切れなくなった涙がぽろぽろと流れ落ちる。

立ち尽くしていた足の力はがくりと抜け崩れ落ちた。


「っふっえ…! かっくん…!」


いやだ。どうして?

どうして…。せっかく会えたのに!