閉じた目を開いた時、最初に見えたのはアイスブルーの瞳だった。


キレイな色――


って


「ちょっと、あんた!」


あたしは勢いよく起き上がった。


馬の乗り手は少しのけ反って座り直した。


「あんたねぇ」

あたしは彼の胸倉をつかんで言った。

「よくもあたしのファーストキスを奪ったわねっ!」


「あれがキスのうちに入るのか」


「入るよっ!」


「ただちょっと冷気を送り込んだだけだ。愛情もなければ劣情もない」

馬の乗り手は冷たく微笑み、意味ありげに周囲を見回した。

「それよりもっと気にした方がいいことがあるのではないか?」


あたしは彼の視線を追って辺りを見回した。