「とも。久しぶり」




一年ぶりにあったこいつは一年前と変わったことと言えば,髪が伸びたことくらいだ。


あとは何ら変わりない。

私に向けてくる笑顔も,私のことを名前で呼ぶその声も,何ら変わらない。



そのことに私は少なからず安心していた。



「……久しぶり」



だからって,私は納得なんてしていない。


こいつと私はただの幼なじみであって,それ以下でもそれ以上でもないのだ。



だから,私は昨日お母さんから聞いた言葉は信じない。信じたくない!!


一年ぶりの再会だって言うのに,笑顔のひとつも浮かべない私にようやく気付いたらしい。



「…あーー,もしかして聞いた?」