(一)


真夏の炎天下、人行き交う都会の中。


「おばあさん、重そうな荷物ですね。僕に持たせてください!」


今日も今日とて、紬雄大(つむぎ・ゆうだい)は、人助けに励んでいた。


「い、いや、いいですよぅ。迷惑でしょぅ?」


「迷惑だなんてとんでもありません!困っている人を見過ごす方が心痛みますから、気にせず、ささっ」


「はあ、なら、お願いしましょうかねぇ」


「どーんと任せてください、世のため人のためが僕のポリシーなので!どこまでですか?」


「駅まで、ここにいる孫さ、会いに来ましてねぇ。帰るところだったんですぅ」

「ああ、そうですか。それはさぞかし楽しかったでしょう!どれ、荷物を」



おばあさんの荷物は田舎へのお土産か、買い物袋や紙袋でいっぱいだった。