(一)


“超越者創製企画”(スピリアル・プロジェクト)、実験No.20ことトゥエンティは殺戮兵器であった。


第三次世界大戦中に産み出された人体兵器である。


不老であり、通常の五倍の再生能力を持つ。


彼が戦場に駆り出されれば、何もせずとも人は死んだ。


毒霧(スモッグ)。

半径一キロメートルに及ぶウィルスを彼は人体から精製するのだ。


「な、なんで……こんな……」


大人ながらも、ぐずりと泣いて、トゥエンティは辺りを一望した。


荒れた地、もと遺跡跡地らしいが、そのほとんどが廃れている。砂漠と相違なかった。


問題は、大地に横たわる人々たち。


皆、口から泡を吹き、真っ青な顔でぴくりともしなかった。