屋上に来てから五分いや十分は経っていた。

その時、やっと晃が話し始めた。

「なぁ、冬矢
お前ん家って離婚してたよな」

いきなり聴いてきた晃の様子が
少し変な事に気づいた。

例えるなら、
必死で何かを堪えているような……

「俺が小五くらいの時にな。

だが、何でいきなりその話?」

「オレん家も小五の時に離婚してんだ。」

「お前ん家は母子家庭だろ?」

「オレん家は父子家庭なんだ」

「知ってるって」