よく考えてみると、

俺は桜のことを何も知らない。



桜がどこで生まれたか

桜は今までどうやって生きてきたか


なにも知らない。



唯一知っているのは新撰組に来てからの桜だけ。



「人がイジメるのなんて…理由なんていらない。」



そうやって話を続ける桜はとても辛そうで

自虐的で…



「ほんのちょっとしたキッカケ…

中心を仕切る人物からの印象…ただそれだけあれば十分。」



俺は、桜は大きな闇を抱えているのだろうと思った。


そうとてつもない大きな闇を…






たった一人で。