昨日の事もあり 俺は教室に入るなり幸雛を探した。

≪いた…≫

俺は ホッと胸をなで下ろしたと、同時に
何を話していいかわからないまま自分の机に鞄を置くと 幸雛を見た。

幸雛は 静かに本を読んでいた。

≪お早う…

御座います。≫

俺は 幸雛の様子をうかがうように挨拶をした。

幸雛は 俺と顔を合わせる事なく

『お早う…』と、

ボソリと呟いた。

数秒の沈黙の後 俺は話題を探し


山城 愛の事を思い出し幸雛に話した。


≪沙羅雪様…

俺の改まった言葉に反応した幸雛は チラリとこちらを見る。

≪言い忘れましたが、 昨日 プリンセスの 山城 愛様が幸雛様にお会いに参りました。≫

俺は 言葉を選びできるだけ丁寧な言葉を選んだつもりだった。