「優衣。」








「ん?風雅、どうしたの?」








引退式が終わり、バイクで風雅に家まで送ってもらった。









いつも通り、風雅は帰るんだと思っていたけど、今日はバイクから降りていた。








「これ。」








そう言ってポンと私の手のひらにのせたのは……









「箱…?」






赤のリボンで結ばれた小さな正方形の箱だった。








「開けていい?」








「ああ。」









恐る恐る開けてみると…