――いったい、何がいけなかったんだろう。
対等で自由な関係に生まれ変わったというのに、この嫌われっぷりはあまりにも酷だ。
俺の周りに女子たちが群がるのがいけないのか?
でもそれは、自ら望んだわけじゃない。
努力の末に築き上げたこの容姿も、頭脳も、すべては君と再会するための“道具”にすぎなかったのに。
何だか、見当違いになってしまっている。
こんなことになるくらいなら、
何の努力もせずに平凡な男でいたほうが、まだ良かったのかもしれない。
「瑠衣ー、ごはんよー」
「すぐ行くー」
英語の課題を終えたところで、タイミングよく母さんに呼ばれた。