「―――――祐介、キライ」




ビールを傾けながらテレビを見ていた俺は、その声のする方にちらりと目を向けた。


ニコニコと屈託なく笑うコイツは、ゆっくりと俺の腕に自分の腕を絡めた。


そして、思わずドキッとするような目で俺を見る。




「キライ」




あぁ、またかよ。


甘い言葉でも囁くかもなんて、大きな間違いだ。


コイツはいつも俺をキライだと言う。


ぽってりとしたピンクの唇に、最悪の言葉を乗せる。


ひでぇ話だよな。


俺は彼氏だぞ?


よくもまあ、堂々と。