「【鳳凰ーホウオウー】出て来いやー!!人の島を荒らした落とし前、きっちり片を付けてやるからよ!!」



騒がしい校庭。

私、中川翼ーナカガワツバサーは、新しい地に舞い降りた。



「いきなり喧嘩か?」



隣に立つ長身で、顔立ちも良しな双子の弟、中川聖ーナカガワヒジリー。

私たちは地元も家族も過去も、全てを捨て、新しい高校へ来たが、入るのを躊躇った。

理由は、校門から丸見えの校庭に、ヤクザが居たからだ。

この高校は、こっちでは有名な不良校、東雲ーシノノメー高校。

男子校だが、私は特別に入学を許可して貰った。

それは、金で。