ゴンゴンと空調の響く音を聞きながら、僕は淡々と業務をこなしていた。

一昔前のエアコンは、たまにボンっ!と爆発音のようなものが聞こえてビックリするが、何だかんだ使えているので買い換える気は無いらしい。

『如月』での僕の主な仕事は雑用含む電話応対・データ整理、客先へのメール送信等、総務的なものだ。

キーボードの扱いはやや不馴れだが、音声マイクによる文章の打ち込みも出来るので、それ程不都合な事は無い。

ただ、見て確認する事が出来ないので、自信の無い時や重要な書類の整理等は、時折誰かに確認してもらうようにしている。

暫くすると、昼を知らせる壁掛け時計のカラクリが動き出し、愉快な音楽が流れ始め、昼食の時間になる。

僕は作業中のデータを進めたところで一旦保存を掛けると、PCの電源をスタンバイ状態にして、母に作ってもらった弁当を机の上に広げた。