総合会館では、香絵が目の前の現状に震えていた。

「……こんな……。」

津波は、町に入り込むと次々と建物を飲み込み、ここ総合会館でも3階までが津波に飲まれたのだ。

4階に辿り着けなかった人々が流されていく…。

香絵をはじめとして4階にいる者は、声にならぬ声をだすだけで、目の前の惨事に、成す術もなく呆然と成り行きを見つめるだけだった…。