「美加ちゃん、凪原くーん!」


朝、恭ちゃんと一緒に学校の廊下を歩いていたら、突然背後からそんな声が聞こえてきた。


「花恋ちゃん、おはよ」

「おはよ、森沢」

「おはよー!あ、そうだ美加ちゃん!私、またお菓子作って来たんだー」


そう言いながら鞄から取り出したのは、可愛らしい袋に包まれたドーナツ。

甘い甘い香りが、辺りに漂う。