「おっ、時間ピッタリじゃん。」


「っ、たまたまよ。たまたま」



駅前の時計は、きっちり10時を示していた。


「じゃあどこ行こっか」



そう言って少し悩んでいる皐を盗み見する。


ふ、不覚ながら……カッコいい……



少し長め前髪から、綺麗な瞳がチラチラと見える。


格好も雑誌のモデルなみにカッコいいし……



「莉緒?」


「へっ!?」



「どうした?ボッーとして。……もしかして、俺に見とれてた?」



「っ///ば、バカじゃないのっ!」



ニヤリと笑みを見せる皐は、やっぱり悪魔だ。



「ははっ。冗談だよ。でも、莉緒は可愛いな。」


「えっ///」



「“服”が」



「っ〜〜皐ぃ〜〜」



「あははっ。」



“可愛い”



そんなセリフ、何度も聞いてきた。



なのに、ドキドキがハンパない。