「三嶋先生はやっぱり優しいんですね」



助手席に座り、キョロキョロと少し落ち着きない様子の堀池先生。



「ご自宅の近くまで送りますから」



「ありがとうございます」



堀池先生の家は、俺の家とはまったく逆の方向だった。



ますます面倒な展開って感じ。



車の中では、何やらずっと絶え間なく話を続ける堀池先生と、



それに適当に反応を見せながら、車を走らせる俺。



興味のない女の興味のない話なんて、マジでどうでもいい。



俺の態度を見て、いい加減気づけ!!って感じだが。



すると、堀池先生の口から意外な名前が出てきて、



思わず、俺は急ブレーキを踏みそうになった。