信じられなった。
何、この行列。

私は開いた口が閉じなかった。
目の前には車の列、列、列。

学校の門まで車が列を成している。
学校までは途中から一方通行であり、明らかに車は学校関係者だ。
つまり、ご令嬢やご子息の送り迎えの車ということになる。
唖然と眺めていると風間が苦笑した。


「今日は少し遅れたので列に捕まってしまいましたね」


風間さんがため息交じりに呟いた。
すると、隣に黙って座ってた伊織がおもむろに鞄を掴んで言った。


「ここでいいよ。歩いて行くから」
「よろしいのですか?助かります」


すると伊織はチラリと私を見る。
あ、降りろってことね。


「いってらっしゃいませ」


風間に見送られ、私も伊織に続いて車を降りた。