さてと、明日の予習はこれでおしまい。そろそろ寝ようかな。


壁掛けの時計を見たら、11時を少し過ぎた時刻だった。


机の上から英語の教科書やノートを鞄に仕舞っていたら、コンコンと部屋のドアをノックする音がした。


母や冴子なら、私が返事をしなくてもすぐにドアを開けて入って来るので、そちらに目をやり待っていたが、ドアが開く様子はない。


という事は……


ドアまで歩いて行き、カチャとノブを回して手前に引くと、そこには思った通り、濃紺のスーツを着た父が立っていた。