「おはよう」




そんな言葉が飛び交っている中、あたしはいつも通りの…地味子の格好で登校していた。


教室に行くと、いつも通りに席に着く。


いつも通りだけど…内心、ドキドキしていた。


――谷口玲。


この学校に転校して来たのは今年の初め。


その時から始めて、この学校の生徒と外で関わった。


もし。


もしだけど…ばれてたら。


どうすればいいんだろう。


また――…転校?


また、お母さんに迷惑を掛けることになる。


これ以上、お母さんに迷惑を掛けるわけにはいけない…


きっと大丈夫。


ばれてない。


“PEACH”のあたしを見て地味子のあたしだと気付く人なんていない筈だもん。


…大丈夫。


…大丈夫。


あたしはそう言い聞かせた。