「おはよう」




朝、下駄箱の前でそう声を掛けられる。


誰?と思って振り返ると、そこにいたのは玲。




「おはようございます…」




一応そう返事をするが、ハッキリ言って声を掛けてほしくない。


何だかんだ言って玲はモテるんだし、あたしが目付けられちゃう。


でも玲は、そんなあたしは関係無いかのように鼻で笑うと、誰にも聞こえない様な小さな声でこう言う。




「キャラ戻ってんじゃん」


「すいませんね、元々こう言うキャラなんで。てか、ほっといてよ?こうやって話し掛けられると困るし」


「何で?」




出来るだけ優しく言ってやったのに…


「何で?」って、こっちが「何で?」よ!!


だってそうでしょ?!


あたし、さっきから女子から睨まれてるの!


玲が話し掛けて来てんのに、何であたしが睨まれてんの、って感じでしょ!?


玲がカッコいいのはわかるけど、あたしは玲とは関係ないんだから!!


玲なんて、どうでもいいんだからね?!


だからあたしを睨まないで!!