校舎正面玄関前に車を停め、
榊(さかき)さんが先に降りてわたしの座っている横のドアを開けた。

ピクッ

何かに反応しわたしを目で制してドアをまた閉める。


「榊さん?」


バン!
パン!
パンッ!

いきなりの空気を引き裂く乾いた音。
榊さんがスーツの内側に腕を入れ吊っていた銃を引き抜いた。

な?なに?何があったの?


「乗れ!!榊!!」

仁(じん)さんが血相を変えて叫ぶ。


「×××××××」

「いいから乗れ!!!」

「榊さん!!」

「バカ!りおは出るな!!」


仁さんの声を無視してドアを開けようとしたけど開かない。
窓も下げられない!


「やだ、開かない。榊さん、乗って!!」

お願い乗ってよ!
じゃないと撃たれて死んじゃう!!