20年間生きてきて、こんなところにきたことがあっただろうか?

千広は、今きたその世界に衝撃を受けていた。

「な、何ここ…!?」

見なれないその世界に、千広は戸惑った。

天国か桃源郷か。

千広はパニックを起こしそうになっていた。

「何ここって、キャバクラも知らないの?」

戸惑っている千広に、陽平が言った。

「聞いたことあるくらいは…」

戸惑いながらも答えている自分が情けない。

右を見ても、左を見ても、ギラギラとした装飾が目立っている。

目がチカチカして、頭がクラクラする。

陽平の後を追うようについた先は、『Cinderella』と言う謎の場所だった。

彼曰わく、キャバクラなのだそうだ。

「キャバクラって、女の子たちが働いているところですよね?」

そう聞いた千広に、
「へえ、でもそれだけ知ってても点数はあげない」

それだけ言うと、陽平はズカズカと中に入って行った。