生まれた時から、私達は一緒だった。

何をする時も、

2人の手が繋がっていないと落ち着かなかった

「わたしたち、ずーっといっしょだよ?」

「あたりまえだろ!ずっといっしょ!」


そんな関係に亀裂が入ったのは

小学3年生の時だった

「蒼くん、一緒に帰ろ?」

「うん!」

2人で帰ろうとしていたのに

目の前に現れた1人の女の子

「ねぇ、この子だれ…?」

不安になり、うつむきがちに蒼に訪ねる

「友達!」

そう答えられても心のモヤモヤは増すだけ

蒼は私と手をつないでいるのに

ずっとその女の子と喋っている


それからは

「それでねー」

「えー、嘘だー」

「ほんとだって!」

私は、楽しそうに喋っている2人の背中を見つめるだけになっていた。

幼かった私には、なにもできなかった