開店一時間前。
携帯を片手に今日店に来る予定の客の数を確認していると
「あの…琉依さんに会いたいって人が店の前まで来てるんっすけど…」
困惑した表情の隼人が俺の前に立っていた。
「え…俺に?」
「はい、琉依さんに会わせてくれって…」
「そっか、分かった。ありがとな」
隼人に言われた通りその男が待っているという店の正面口へと向かった。
俺に会いに来る人間のほとんどが女であることが多く、男には全く心当たりが無かった。
店の外へ出ると薄暗い街灯の光と共に一人の男の姿が見えた。
男は俺の姿を確認するとすぐに俺の所へゆっくり歩いて来た。