エレベーターでマンションの最上階まで昇りいつもの様に玄関の扉を開けた。




スーツケースに荷物を詰め込み殺風景な部屋を見渡した。




この部屋とも今日でお別れだ。





俺の地位と金を象徴していたホストとしての生活の全てが詰まっている。




でも今日でもう俺はホストじゃなくなった。




新しい場所で新しい仕事で俺は再出発する。




ホスト以外の仕事に就いた事もないし次の仕事に何の当てもない。




そんな状況でも何故か不安などは一切無かった。






今度こそ汚れた過去とは決別して自分の望むままに人生を一からやり直す…そう固く決意した。