昨夜は結局…何時に帰ったのだろうか。
ぼんやりとしたままベッドから体を起こした時、猛烈な頭の痛みと不安が同時に襲った。
「…麗華?」
俺の掠れた声だけが部屋に空しく響いた。
昨日、確かに隣で眠っていたはずの麗華が目を覚ました時にはもう居なかった。
「…麗華!!」
寝室を飛び出しリビングへ行っても麗華の姿は何処にも見当たら無かった。
ただ不安だけが襲い頭を抱えたまま項垂れていた時、リビングにあるテーブルの上に鍵と通帳がある事に気づいた。
直ぐさま立ち上がり"佐伯 麗華様"と書かれた通帳を開くと最後の明細欄に200万の文字があった。