「――乃愛ちゃん」




「お待たせしました〜」




あたしは髪を整えながら壁に寄り掛かる長谷川さんに近寄った。




あのあと仕事を終えたあたしは身だしなみを整えて、長谷川さんに送ってもらう準備をした。




初めて“一目惚れ”した人だし。



「髪巻いたの?すげぇ可愛い」




長谷川さんは巻かれたあたしの髪に触れながら言う。




あたしはドキドキしながら背の高い長谷川さんを見上げた。




「ありがとうございます…。」




あたしはそう返すので精一杯だった。




長谷川さん…好き……。




あたしはたった今、確信した。