帰り道、歩きながらケイトは大きく伸びをした。


「はぁ、今回も大変だったなぁ。俺だけ」

「なんですか?その目は私だって心配で大変でしたよ?」


 口を尖らせる言乃を見てケイトはカラカラと笑った。


「ま、ことのんの泣き顔が見れたから今回はよしとするかな」

「趣味悪いですよ、ケイト君。」

「あ、」


 ケイトが気づいて声をあげ、空を指差した。


「見ろよ、ほら」

「?──わぁ、きれいな虹ですね」


雨の神から、二人へのお礼だろうか?と、ふと思う。