「ちょっとちょっとちょっと!」

芽々が激しく狼狽する。

「勘弁してよ!ここまで来て食材何一つ持ってきてないのっ?」

「うーむ…」

オロオロする小夜の前で、宜虎は三人分の荷物を調べた。

ない。

何一つ入っていない。

飯盒もある。

包丁もある。

まな板もある。

使い捨て用の食器もある。

食材だけが入っていない。

米も、肉も、野菜も、何も入っていなかった。