婚約者…将来を約束した者たちのこと

うん。私が考えていたものとあっているね。

私は見合いの席かと思うような豪華な和室に正座しながら‘婚約者’という単語を調べていた

ん?なんでか?そりゃあ…


「千景、この方があなたの婚約者よ」

私のとなりにいる母が私の目の前にいる男子を指してそんなことを言うからさ!!

「へぇ…」

私は軽い放心状態になって母の話を上の空で聞いていた

あれ?でもさ…婚約…戦略結婚って社長の子供同士がするもんじゃ…うちの父は平社員だよ?私、一般人だよ?社長令嬢じゃないよ?

「ほら、自己紹介しなさい」

母の目の前に座っている私の婚約相手の母らしき方が、私の婚約者に耳打ちする

「北川真也。16歳。3月3日生まれ」

「女子の日に生まれちゃったんですね…かわいそうに」

「こら」

私が淡々と告げる彼の自己紹介の感想を述べると母が私の頭を軽く小突いた