――トントン


「はい。どうぞ」


中から聞こえる優しい声


「失礼します」


ドアに手をかけ、そっと開ける



「放課後まで呼び出してごめんね」


「い、いえ///」


生徒会室のソファーに腰掛け、まるでその人だけ世界が違うかのような雰囲気を醸し出していた


我が学園の王子様、そして前生徒会長


井之上輝[いのうえひかる]先輩



顔立ちから、立ち振舞いから全てが完璧な人


頭だってNo.1だし、学園祭での人気投票だって2年連続1位


あたしの理想で憧れの人。


「じゃあまずは…「輝っ!ファイルってこれでいいの!?」


勢いよく開いたドアの前に立っていた、これまた綺麗な人


「あぁ。それでいいよ。お疲れ様」



「もぉ―っ!本当だよ!!女の子をパシりに普通使うかっ!!」


我が学園の王子様にこんなことを言える女子はただ1人


「悪いな。花梨だとつい。」


「つい。って何よ。つい。って……」


宮澤財閥のご令嬢、そして前生徒会副会長、宮澤花梨[みやざわかりん]先輩。