「あぁ―…、歌った〜!!」


何十曲も一緒に歌い、さすがに喉が痛い……


「春が1人で歌ってたんでしょ―!」



頬を少し膨らまし、俺を睨むさくら


俺のたった1人の……女友達


さくら以上に大事な女友達はいないってくらい。



さくらとの出会いは必然だったんじゃないかと思うくらいだった。


だって“さくら”と“春”だぜ。


しかも、さくらは俺を分かってくれている。



さっきのメロンソーダだって……


あんな些細なことが、なんか嬉しいんだよな―…



さくらがメロンソーダを注文した時、俺も分かったぜ。


さくらがオレンジ注文するって。



だってさくらって、いつでもどこでもオレンジジュースなんだよな。


食べ物に偏りがあるのも、さくらのクセ。



だから俺はさくらのことなら、何でも分かる