〔秋都side〕 ―――パシッ ……っ!? 今、何が起こった? 亜美が、手首を掴んでくる悠基の手を振り払ったんやんな……? それも、思いっ切り。 何の躊躇いもなく。 さっきから、顔も真っ青なくせに笑おうとするし。 ほんま、どうしたんや? 「……あ、み?」 放心状態の悠基が声を絞り出したのは、亜美の足音が遠くに聞こえるくらいのときやった。 きっと、悠基の声は亜美に届いてへん。 追いかけんでええんか、悠基?