白亜は、育った村のすぐそばの町に連れていかれた。

こんなに近くに『町』があるなんて、白亜は今まで知らなかった。

ここにはニナ、が来ているのだ。

『守り人』無しで。

日が落ちて、月明かりの中、町の外れに作られた『会場』へ町の人たちは集まってくる。

ただ、広く開けられた大地。

正面には、客の入る位置より高く、舞台が作られている。

舞台の後ろは壁で仕切られてある。

それはいいのだが、その後ろは森になっている。

会場の周りも、背の高い草に覆われていて、守る側としては、ちょっと嫌な感じだ。