あたしが、新撰組の女中になる、って決まったけれど、肝心の2人はまだ喧嘩をやめない。


ただ、沖田さんが楽しそうに土方さんをからかって、それに土方さんがキレているだけなんだけどね。



「…歳、総司。もうやめないか。千春君が困っているだろう?」


「……いえ、大丈夫です」



すまない、と近藤さんに謝られる。


近藤さんも呆れて、深いため息を吐いている。


この話を聞いて、2人はハッ!としたように喧嘩を止めて、こちらを振り返った。



「……すまねぇ、近藤さん」


「いや、いいんだ。喧嘩するほど仲が良いっていうしな」



沖田さんは心底嫌そうな顔をしている。


そんなに土方さんが嫌いなんだろうか。


それとも、これも演技?



「…話を進めるか」


土方さんがポツリと呟く。

その途端、皆の表情が引き締まった。


…そんなに大事な話でもないと思うんだけど。