~観客side~




真城が部屋に戻った後、風斗は一人空を見上げていた。






「愛美、いるんだろ。」




風斗がそう言うと廊下の曲がり角の方から愛美が出てくる。




「気づいてたのね。」




「当たり前だろ。どこから聞いてた?」




「ふふ、さぁね。」




愛美は笑うと風斗の隣に立った。




「あたしに出会ったのは運命なの?」




「そこまで聞いていたのか。」




風斗は照れ臭そうに頭をかいた。




「真城ちゃん、寂しそうだったわね。」




「仕方ないさ、あんな事があったんだ。」




二人は悲しそうに声を落とした。