――真裕サイド――


あれからどのくらいが経ったんだろう。

あたしはずっとベッドにいて、毎日陽が沈んでは昇っていくのを眺めているだけだから、何日経ったのかなんてもはや分からない。

数えようとも思わなかった。


『でさーしつっこく電話してくるわけよ姉貴が』

『なに、心配されてんの?』

『ちげーよ! 俺が遊びに来たと思ってるから土産買ってこいとか言うんだよ!』

『なんで言わないのよ』

『それはそれでめんどくさいから』


…相変わらず代わる代わるみんな来てくれるわけだけど。

あたしは誰の話にも反応できなくて。


「まぁだ帰る目処がつかないっていうのよ、宝院。まああたしとしてはありがたいけどー、いつまでいる気なのかしらね?」

「まあ仕方ないよ。人数も多いしね」

「いっそずっとおりたいわ」

「一人でいれば」

「よーし蓮二おめーやるかこの野郎!?」


本当に普段通りに接してくれて、ありがたみも申し訳なさも感じてる。

だけどなにもできなかった。


普段通りにすることもできないし、謝ることもできない。

本当に何もできなくて、ただ抜け殻のように過ごすだけ。

心の支えはただ一つだった。

だけどそれもまた、あたしの心をズタズタに引き裂いてるわけで。

そんな自分がさらに嫌だった。


「……ふう…」


起きてることに少し疲れて、思わず小さく息を吐いた。

それにいち早く気付いてくれたりんりんが、咄嗟に両手を伸ばしてくる。


「大丈夫まお、つらい?」


「ううん…」


「無理しないでよ」