「おじょおさまぁっ! よくぞ…よくぞご無事でいらっ…」


「琥珀は?」


「……」

「……」

「……」

「……」


「……いやあね冗談よ」


本気にして泣きそうな顔しなくたっていいじゃない。

あたしそこまで人でなしじゃないわ。


「あ、あの…琥珀ちゃん達はあちらに…」


「だから冗談だって」


がくうっと肩を落として中を指す坂本さんにもう一度言い、ちょこちょこと歩み寄った。


「ごめんね。ありがと」


「…………お嬢様ぁ~~~!」


わんわん泣きながらあたしを抱きしめる坂本さん。


本当に…。

ごめんね、心配かけて。

あたしなんかのために泣いてくれてありがと。


「ああっおいたわしい…! まだお怪我をなされているのですね」


「おいたわしい…」


「さ、さ、お入りください。わたくしお世話をさせていただきに参りましたのよ」


「お世話…」


「まずはおくつろぎくださいな。お茶を入れますわ」


「あ、ありがとう…」


…あれ、輝いてる。

なんかキラキラ輝いてるよこの人。