「……氷室邸って何処かな~」


大きな森に囲まれた屋敷が立ち並ぶ高級住宅街。


私は地図を片手に…かって死んだ父親が執事を務めていたと言う氷室邸を探す。



…半年前・・・…
父親と母親は不慮のバス事故で他界。
弟の智樹(トモキ)は奇跡的に助かった。
今は別の病気で入院中。


二人には親類縁者が居なくて…
私と智樹は天涯孤独と身となった。


鷹栖那岐紗(タカスナギサ)16歳……


父親の遺言では……鷹栖家は代々…氷室家の執事を務めていたらしい。
もし自分に何かあれば…当主である氷室歳三(ヒムロトシゾウ)氏を尋ねろとのコトだったけど。
私は僅かなお金を生活費に半年間は一人で智樹の世話をしていたが。
でも、限界だった・・・