兄貴がソファーに座り、乾きかけた血をティッシュで拭う。



「昨日、紀斗さんが俺から助けてくれた人が居たよな?」



「うん…」



「薬を広めてたのはそいつらだって思って、警察と陣地に行って来た。そしたら、キレたヤツらが…」



「どういう関係なの?」



ここには来た事はない筈なのに。

しかも、何で勝ち目がない人たちだって、わかってて…。



「俺がいたチームの面倒を見てくれてた【浜中ーハマナカー】組の分家がこっちにいたみたいで、顔見知り程度だったけど、昨日たまたま海で会って」



兄貴はどこまで不運であり、きっかけをくれるんだ。

私はキッチンへと行き、タオルを濡らして兄貴に投げた。