16時の約束の時間に間に合う様に、どこへ行って、何をするのか、何か得たいと思う気持ちと、何か情報を届けることでのあの女性の反応への興味が相まって、考えることにも少し楽しみを覚えてきた。

色々考え、久しぶりに人と会話をしたことで喪失感が多少薄らいだのであろう。

何ヶ月間という時間の経過、そこにひとつのきっかけがあってのことだった。


「時間が解決」と言うことも、長い時間が経てば何かしらきっかけがあり、解決する、と言うことを簡単に言い変えただけの言葉なんだろうと、また勝手な「言葉の解釈」を頭の中でしていた。


缶コーヒーを一口飲み、タバコに火を付け車の窓に腕を掛けた。

昔と変わらぬ自分、変わりすぎていて何を考えれば良いのかパッとは出て来ないこの状況、このギャップに、言い表しようの無い感覚が胸のあたりを「グッ…!」と突き抜けた。